こんにちは、宮本清世です。
今回は、水彩絵具を使ったスケッチの進め方をご紹介します。
クロッキーとスケッチはよく似ています。
絵を描くライブ感、ゆるさ、色の扱いなど、クロッキーとスケッチそれぞれの良いところをそれぞれに作用させることで、より楽しく上達に近づきます!
ここでは、ご自宅でもできる水彩スケッチの進め方を朝顔のスケッチの画像とともにお話しをします。
外で初めてスケッチをするのに抵抗がある方も、
まずはこの記事をみてご自宅でスケッチを始めてみてはいかがでしょうか?
1.水彩スケッチの準備をしよう

- 鉛筆
- 水彩絵具セット(絵具・パレット・筆・水入れ)
- 画用紙
※この記事は進め方重視なので、道具の詳しい紹介は割愛します
絵具については『水彩画の道具-透明水彩絵具について知ろう!【初級~中級】』をご覧ください
私が使っているのはこちら。ご参考程度に!


2.鉛筆で花のスケッチをしよう

2-1.ざっくり構図をチェックして花を描こう
スケッチで最初に困るのが「どこから描けばいいかわからない」だと思うんですが
花のスケッチの場合は花から描きましょう。
その時に、どこまで入れるかをなんとな~く決めておくと描き始めのスタート位置が決まります。
ほんとうに「なんとなく」でOKです!
私はスケッチのいいところってゆるさだと考えています。
なので、ちょっと構図(レイアウト)がおかしくなってもそれが思い出だったりライブ感を想起させたりなど、
いい方に捉えたらいいんじゃないかと思っています。
構図をゆるく決めたら、クロッキー線や輪郭クロッキーの要領で下描きをします。
真っ白状態で戸惑うようでしたら、花の位置を楕円などカンタンな形で軽くアタリをつけると第一歩がすぐ踏み出せます。

2-2.葉っぱを鉛筆でスケッチしよう

ざっくり花が描けたらどんどん周りを描いていきましょう
このとき描きやすくなる考え方は「余白のかたち」です。
花のかたちや葉っぱのかたちでも同じなんですが
隙間のかたちを意識して比較するとバランスが取りやすくなります。
困ったら花の大きさと比較して葉っぱが大きいか小さいか、高さが合っているかどうかなど見比べてみましょう。

水彩スケッチの下描き終わりは個人差がありますが
基本の考え方は「水彩絵具がきれいに発色する」のが前提です。
せっかく絵具を扱うのだから、発色は美しいほうがいいですよね。
なので、あまり鉛筆でゴリゴリデッサンを進めるよりは薄めのデッサンにするか輪郭線までで留めた方が絵具の色を活かせます。
3.スケッチを水彩絵具で塗ろう

ここからは絵具のお仕事です!
3-1.花に水彩絵具を軽くのせる

主役である花の色を、かなり淡い状態でのせます。
淡い色でぬるのは様子見をするためです。
最初から濃い色にしてしまうと取り返しがつかないんですね。
※厳密にはテクニックでそこそこ消せますが、完全に戻すことは不可能です
淡い色で試し塗りをして、この色でいいか確認します。
3-2.葉っぱにほんのり色をちりばめる

アナログ水彩イラストを描くときによくやってるんですが、がっつり塗る前段階に淡い色を少しちりばめます。
これには理由が2つあります。
ひとつは、全体への意識付けです。
どうしても花に意識が向きがちになるので、色をちりばめておくことで
「ここまでのフィールドが絵だよ」と自分の視線を誘導させるような意図があります。
2つめは色のバランスを見るためです。
全体への意識付けと似ていますが、「何色を置いたらきれいなリズムになるかな?よいアクセントが生まれるかな?」というのを考えています。
何色を置くかはモチーフによって変わります。
しいて言語化するなら「内包する色」でしょうか。
朝顔の場合は葉っぱが黄色寄りの緑に見えたので、レモンイエローを置いています。

色選びの感覚はかなり個人差があるのでうまく言えてないかもです。
絵の中のアクセントをつけて調和を取るために入れる隠し色のようなもの(?)です。。
3-3.固有色をぬる

色をちりばめたら、固有色で描いていきます。
①主役の花→➁主役まわりの葉っぱ→➂ ➁のまわりの葉っぱ…のサイクルで色をのせます。
絵具の濃度は周回を重ねるごとに少し濃い目に溶いています。

周回を重ねすぎると色が淀むので、花など「特に発色に気を付けたいもの」を塗るときは早い段階で「ここで決める!」と腹をくくって濃度を上げましょう。
4.朝顔のスケッチ、完成!

じゃーん。
色で遊ぶのがメインのため、ラフな仕上がりに。
これをベースに別紙でキチッと作品にする場合は、別でデッサンをしたりします。
5.【水彩】花のスケッチの描き方や進め方【初心者向け】のまとめ
花の水彩スケッチについてお話ししました。
いかがでしたでしょうか?
- クロッキーとスケッチは親和性が高い
- 構図をざっくり決めると描きやすい
- 描き進め順は、花→葉っぱ =下描きも絵具の本番もいっしょ
- 淡い色で色試し。調和が取れたら濃度上げてGO!


あなたもぜひ水彩スケッチで色と遊んでみましょう!