こんにちは、きよせむ(@kiyose_m)です。
あなたは、人物練習をするために3Dポーズモデルを検討したことはありますか?
もうすでにアプリをインストールしてるかもしれませんね。
3Dポーズモデルとは、インターネットやアプリで3Dグラフィックを使った人体モデルのことです。自分で好きなポーズや描きたいポーズにモデルを動かすことができるところが人気です。
でも、私は正直3Dポーズモデルはおすすめしません。
この記事では、なぜ3Dポーズモデルをおすすめしないのか?についてお話をします。
目次
1.3Dポーズモデルは現実味に欠ける
全ての3Dポーズモデルが正しいわけではない
いろんなタイプの3Dポーズモデルやアプリがありますが、良し悪しにばらつきがあって正確に人体を模しているものはごくわずかです。
フィギュアやコレクタードール、人体模型を見てもわかるように、人体というのはとても複雑な構造をしており、正確にモデリングするのはとても難しいです。
その点は3Dポーズモデルも同じで、制作者や開発者の腕前と人体への観察力によって精密性がかなり変わります。
人らしさ不足
3Dポーズモデルは人らしさが足りないところも現実味に欠けているといえます。
人らしさというのは、人物の肌の柔らかさや質感、空気感です。顔つきも人らしさとして捉えることができるでしょう。こういった数値化やデータ化がしにくい部分を表現することも人物練習には必要です。
でも、3Dポーズモデルはポーズに特化しているので、肌の質感や表情に対してはあまりクオリティを求められません。
3Dポーズモデルのツルッとした肌の質感は現実感を奪われます。
中途半端なリアル感の弊害
3Dポーズモデルの主流は中途半端なリアル感です。
もちろん人体ポーズの練習用としてつくられているため身長や等身のバランスはだいたい合っていますが、顔つきと顔立ちが中途半端にリアルになっています。
その中途半端なリアル感がかえって違和感を感じさせることになり、よりいっそう現実味に欠けた印象を持ってしまいます。
明暗をわかりやすくしたモノトーンの3Dポーズモデルや頭髪なしのモデルも、確かにわかりやすさはあるものの、どうしてもグラフィックとリアルに寄せた中途半端な質感が醸し出されています。
2.なぜ現実味に欠けるとよくないのか
人らしさが損なわれる
私は人物の絵やイラストで最も大切なのは総合的な人らしさだと考えていて、それは構造的な外面と、質や雰囲気から出る内面のことです。
3Dポーズモデルの場合、総合的な人らしさを捉えることはとても難しいです。
つくりもの感がすごく出てしまうので(たしかにつくりものではあるんですが)人らしい空気感も含めた人物の練習には不向きです。
デフォルメのもとは現実
漫画やイラストのキャラクターは魅力的なデフォルメがされています。
でも、デフォルメをする元となっているのはやはり現実であり、私たちはそれらをいかに簡潔にかわいく・あるいはかっこよく見せるかを考えてデフォルメをしています。
3Dポーズモデルのモデルは生身の人間です。
だから、3Dポーズモデルの大元となる現実、生身の人間を描くほうが効率も良いといえます。
基礎の理解度に差が出てくる
初めから中途半端なポーズモデルを参考に練習した場合と生身の人間をモデルにした場合を比べると、基礎力に大きな違いが出てきます。
粗悪な3Dポーズモデルだと関節がありえない方向や限界を超えた角度まで曲がることもあり、構造をよく知らないうちからその粗悪なポーズで練習をしてしまうと、おかしくてもあまり気にしないようになってしまいます。
3.3Dポーズモデルアプリで失敗した話
私の実体験ですが、やっぱり人物のいろんなポーズを練習したい!頭の中に浮かぶこんなポーズを描きたい!と思い資料をあさったものの「これだ」と思うポーズが見つからず、わりと有名な3Dポーズモデルアプリをインストールしたことがあります。
思い浮かんだポーズをとらせたり、あらかじめ入っている簡単なポーズのテンプレートでも描いてみましたが、めちゃくちゃ違和感を感じてしまい、自分が何を描いているかわからないくらい混乱しました。
それもやっぱり現実味に欠けるというのが大きな要因だったといえます。
全身の陰影のつき方はそれなりに参考になりましたが、結局何を描いているのかわからない時間のほうが多くなったので現在アプリはアンインストールしており今後もそのアプリを使うことはないと思います。
4.3Dポーズモデルを使わずに人物練習をするには
マンガ・イラストなどデフォルメされた人物を練習するなら、描きたい体型で関節が可動するフィギュアを買ってそれを見てクロッキーを重ねるのがおすすめです。中途半端にリアルな3Dポーズモデルより、いっそ振り切ってデフォルメされたほうが現実との比較に迷うことがないからです。
あこがれの作家さんがいれば模写もおすすめです。
人物デッサンや絵画を描きたい・基礎をガッチリ固めたいのなら、やはり生身のモデルが一番です。
3Dポーズモデルを使わずご自宅で人物練習をすることもできます。
5.『【初心者向け】人物練習に3Dポーズモデルをおすすめしない理由』のまとめ
いかがでしたでしょうか。
モデルがいないからといって3Dポーズモデルを安直に選ぶのはおすすめしません。
人物の練習も、やっぱり生身の人間を描く基礎固めが重要です。基礎をがっしり積み重ねることで応用ができます。
また、人物の基礎練習にはクロッキーがおすすめです。
このブログでは クロッキーを通して自分の絵で自信を持てるようにするもテーマにしていますので、ぜひ『人物のポーズを上手く描く最強の練習法』もあわせて読んでみてください。
できることからサクッと挑戦してみるフィジカルさも大切ですよ。