こんにちは、宮本清世です。
今回は、デッサンの基本「色と陰影」についてお話しします。
デッサンで陥りやすいのが、なんとなくシャッシャと描いている現象です。
なぜ鉛筆で色をつけるのでしょうか?
影色、それも正解です。
ですが、デッサンの「色」は影だけではなくいろんなことを表現するのに使われています。
今日はそのなかから、基本となる「影色(=陰影)」と「色」についてイラストとともにお話をします。
この記事を読んで色と陰影を意識しておくと、自分が今どの作業をしているのかがわかるようになります。
ぜひおためしくださいね!
1.デッサンの影色ってどういうこと?

デッサンの「影」は、光の場所を伝えている
デッサンでは、影をつけます。影をつけることを、「陰影」ともいいます。
陰影を描くことで、光がどこから当たっているかを表現できます。
影を描いて光の場所を伝えると、モチーフがどのようなかたちをしているのかも伝わります。
陰影の色やタッチを変えると表現の幅が広がる
タッチ、つまり筆致とよばれる線の方向や動きを変えるとより立体感が出せます。
イラストや絵など、いろんな色を使って描くときには陰影の色を変えるだけでかなり絵の印象が変わります。


2.デッサンの色ってなに?

デッサンの色は、固有色もあらわしている
デッサンの鉛筆は陰影の他に、モチーフそのものの色を表現するためにも使われています。
モチーフそのものの色のことを「固有色」といいます。
たとえばレモンの黄色とか葉っぱの緑というのが、それぞれの固有色です。
パソコンのペイントやお絵かきアプリで「塗りつぶし」ってありますよね。
べタッと一面に塗る機能です。
固有色は、この「塗りつぶし」をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。
基本のデッサンでは、固有色の違いを鉛筆の黒だけで表現します。

そのため、鉛筆だけであらわすカラーバリエーションが豊富であればあるほど多彩な表現ができます。
補足:陰影と明暗の違い
陰影・色と一緒によく聞く言葉が「明暗」です。
陰影と明暗はよく似ていますが、微妙な違いがあります。
陰影は、光にもとづいた明るい暗いの範囲です。
明暗はもっと広い範囲での意味を持っています。
たとえば、白と黒では白のほうが「明るい色」ですよね。
わたしたちが普段みている色の明るい・暗いを指すのも明暗です。「明度(めいど)」とも言われています。
このように「明暗」という言葉は、影の当たり方の強さのほかに色の明るい暗いを表すときにも使われます。

3.デッサン基礎・色と陰影の組み合わせを楽しむ
では、ここまでのイラストを使って、色と陰影を組み合わせたのを実際に見ていきましょう!
デッサン基礎・モノクロで陰影と色を表現する
白黒の陰影と固有色を合成したものです。

白黒で描かれた陰影と白黒に置き換えた固有色を組み合わせるだけで、ざっくり描いただけのイラストでも背景の奥行や目のきらっとした輝きが出ますよね。
タッチの方向がわからなくても、陰影と色をぱぱっと捉えるだけでもそれらしくいいかんじになります(笑)。
もちろんデジタルに限らず、鉛筆デッサンでも同じです。
注意すべきところは、自分は鉛筆のタッチを重ねて、何を描いているのかを把握することです。
色をのせることで髪の黒色を描くのか、光を追っているのか。
このように「どこの何をどう描こうとしているのか」を意識すると、ただなんとなくタッチを重ねているだけのデッサンから数ランクはアップします。
応用:カラー変換
これをカラーにするとどうなるか。

ただ重ねただけでも、陰影によってスカーフの明るい部分と暗い部分で同じ赤系でも違う色になります。

固有色はそのままで、陰影の色をピンクとグリーンで変えたパターンです。
随分と印象が変わりますよね。
イラストに描かれた女の子の性格も違って見えると思います。
この記事での陰影サンプルは一色だけですが、イラストでも絵画でも、手描き・デジタルを問わず陰影に使う色を場所やモチーフで変えると絵の世界観がぐっと広がります。

4.まとめ
デッサンの基本「色と陰影」についてお話ししました。
なんとなく鉛筆の色をのせちゃうのは、私が実は昔やっていました。
それでも続けるうちに、こうして人に説明できる程度には描けるようになりました。
あなたも私もどんどん描いてレベルアップして、絵を楽しみましょう!
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→「なんとなくシャッシャ描く」から「描写する」にデッサンのレベルが上がる