この記事では、クロッキーにかける時間はどのくらいが適切か?についてご紹介しています。
こんにちは。クロッキーをひろめたい人:きよせむ(@kiyose_m)です。
あなたは、クロッキーを描く時間はどのくらいに設定していますか?
「初めてだからとりあえず5分」「とにかく早ければいいんでしょ?」と考えているでしょうか。
私は「初心者は5分から」「慣れてきたら目的に合わせて時間を変える」ことをおすすめしています。
ここでは、なぜ初心者は5分クロッキーなのか?目的に合わせた時間ってどのくらいなのか?について詳しくお話をしていきます。
目的と目安時間を知ることで、より効率よくクロッキーに取り組めるようになります。
人体の動きなら激短で
人はそんなに止まれない
人体の動きを観るだけなら、30秒~1分が目安です。
これは、モデルがポーズを保てないからです。モデルにポーズを取ってもらうときに、複雑な動きだとなかなか長時間キープできないです。動画チャンネルを見ていても、短い時間で設定しているときのモデルを見ると、だんだん身体がプルプルしてくることがよくあります。動いている人を描く場合も同じで、歩くポーズならまだしも、走っている瞬間やジャンプしているところなんかはキープできないですよね。
激短クロッキーで描くもの
30秒~1分で描くときは、人体の動きを観察します。美術用語で「ムーブマン」といわれるもので、動きの勢いを表します。漫画だと剣を振るときの太刀筋の線も広い意味ではムーブマンと呼べるでしょう。
複雑な動きほどムーブマンを捉えることが難しくなるので、骨格や筋肉など人体の構造をしっかり観察する必要があります。だからこそ、短い時間で捉えるクロッキーを重ねることでムーブマンの感動や勢いをキープしながらも説得力のあるものが描けるようになります。
激短クロッキーでムーブマンを描くと、進化した棒人間のような感じになります。かなり感覚的になるので、少し慣れてから挑戦したほうがバランスがとりやすくなります。
30秒クロッキーの実例と解説

裏うつりが激しくてごめんなさい、、。
ゆるゆる~っとした線で、人体の関節は意識していません。
なんとなくこんな向きだなというのを意識します。
動的なポーズではないので参考にしづらいかもしれません
明暗つきの軽いデッサンレベルなら10~20分
人物デッサンの1ポーズあたりの時間
簡単な明暗や表情をつけるなら、10~20分を目安にすると良いです。美大や予備校などで人物デッサンまたは人物画を描くときのモデルのポーズは、たいてい1ポーズ20分を基本としているからです。1ポーズ20分を何回か繰り返して、合計6~8時間で1枚のデッサンや絵を仕上げていきます。
美大に行きたいという人がいたら、このときの時間配分を考えてエスキース帳での20分クロッキーに慣れておくと人物画がものすごくラクになります。はじめの20分ポーズでクロッキー的に描いて、次のポーズで客観的に観察して詰めていくと表現と技術がつまった素晴らしいデッサンになるでしょう。
エスキース帳ってこんなものです
観察の精度が上がる
時間が長いとそれだけ活用の幅が広がります。どれだけ描き込めるか挑戦してもいいですし、逆にめちゃくちゃ観察しまくって線1本で描くことも挑戦できます。
また、紙のサイズが大きいほど、線を描くのに時間がかかります。F6サイズくらいで描き込むのであればかなりしっかり描き込むことができます。
10分クロッキーの実例と解説

さっきの30秒クロッキーとほぼ同じポーズです。
ぐっと人物らしさが出ます。服の色が濃いことや、本を見ていることもわかります。
デッサンをするときは、服の色をのせる前段階でかたちの修正をもっと厳密にしておきます。
黒っぽい服なので色を濃い目に置いて、描き込みのときでもコントラストを失わないようにします。
人物初心者が全身描き切るには5分が目安
人物が初めてなら5分は結構大変
人物を初めて描く人は5分で描き切るのを目標にしましょう。
これは私も体験しているからよくわかるのですが、人物初めてで5分クロッキーはあっという間に終わります。立ちポーズで頭から描き始めて足まで描き切れずとてもガッカリした記憶が強く印象に残っています。なので、瞬間的に捉えるクロッキーでまず5分で全身を描き切ることに照準を当てると基礎をつくることができます。
基礎力をつけやすい
「5分で全身クロッキー」は、基礎力をつけるのに最適です。基礎力とは人体・構図・明暗などデッサンや絵に必要な要素のことです。
5分クロッキーで全身を描き切ったら、紙いっぱいに描けているかどうかの確認をします。ここをチェックしていくと構図の勉強ができます。こうして5分の全身クロッキーであらゆる要素をチェックして、小さな目標を段階的にクリアすることでやがて基礎力がアップします。
5分クロッキーの実例と解説

30秒・10分のクロッキーとほぼ同じポーズです。
構図はもう少し上にするか、半回りくらい全体を小さくしたほうが紙に対してきれいにおさまります。
『初心者も必見!クロッキーは何分で描くのが適切?』のまとめ
クロッキーの適切な時間についてお話ししました。おさらいです。
- 動き(ムーブマン)をみるなら短時間
- プレデッサンとしてしっかりめに描くなら10~20分
- 初心者は5分で全身からスタートして基礎力をつける
ちょっとずつやっていくと上達するのがクロッキー。ぜひ効率よくたくさん描きましょう!
今回実例に使用した鉛筆はこちら↓