こんにちは、宮本清世です。
初めてクロッキーをやってみるときに、「何かテクニックはいるの?」「一発描きでないとだめなの?」「考えないってどういうことなの?」など疑問が多いのではないでしょうか。
私もはじめはわからなかったです。
クロッキーはミニデッサンのようなものだと思っていたし、瞬間素描ってどういうこと?!という状態からスタートしました。
この記事では、自分がクロッキーを初めてやるときに知っておきたかったことについて、当時を思い出しながら道具・描き方・考え方のポイントをご紹介します。
あえてテクニック的なものは省いていますが、この記事の内容を上から進めていけば、クロッキーが初めての方でも「2枚は描く」のスタートが切れるようになっていますので、ぜひやってみてくださいね!
1.クロッキーに必要なもの

鉛筆など、描くもの
初めての人は2Bまたは3Bの鉛筆を2~3本用意しましょう。
硬度と柔らかさのバランスがちょうど良く、慣れたころに線の強弱や色がのせやすくなります。
なければ黒のボールペンやサインペンでも大丈夫です。
紙
クロッキー帳を用意します。大きさはB4~F6くらいがベストです。
小さいのに慣れてしまうと、大きい作品を描くときに形の狂いに気づきにくくなったりなど苦労します。
逆に、木炭紙大とかエスキース帳みたいにすごく大きいものは場所を取るのでハードルが上がるので注意しましょう。
スケッチブックでも代用できますが、スケッチブックはクロッキー帳に比べ紙質がとても良いので正直もったいないです。
あくまでクロッキーは訓練なので、やっすい紙でも大丈夫です。
クロッキー帳持ってないけど今すぐ始めてみたい!という方は、コピー用紙+クリップボードでもOKです。100均で揃います。
モデル・対象
お友達や家族などモデルになってくれる人がいれば一番良いですが、まずは自分でもいいです。
全身鏡に自分を映しましょう。全身鏡もモデルもいない、、という方はファッション雑誌やネットで全身が入った写真や動画を選んでください。
選ぶときは、ヌードではなく服を着た人にすると、およその体型や関節の位置などがわかりやすくておすすめです。ポーズは立った状態で片足に重心を寄せたものだと取り組みやすいです。
タイマー
時間を測るのに重要アイテム、タイマーを用意します。
キッチンタイマーでもスマホの機能でもOKです。
時計を見ながらは時計を確認するのが時間のロスになるし、集中力がとぎれるのでおすすめしません。
練りゴムは、いらない!
練りゴム・消しゴムは使いません。消す時間がもったいないですし、線の勢い(まだわからなくて大丈夫です)がなくなってしまいます。
おかしいな、間違えたなというときでも使わず進めましょう。
明らかに消した方がいいときは終わってからサッと消すくらいで十分です。
2.クロッキーを描いてみよう

タイマーとモデルをセットする
準備が整ったら、タイマーを5分にセットします。
5分という時間は初心者でも全身を描き終わりやすく、また上達したころでも描き込める時間をとれるからです。
初めての場合、とにかくプレッシャーとハードルを下げてやるのがいちばんです。
モデルをお願いしている場合は、立ちポーズで片足に重心を寄せたポーズをとってもらいます。
全身鏡を見ながら自分を描く場合は、クロッキー帳またはクリップボードを持って鏡の前に立ちます。
5分で全身描く
1枚目は何も考えず、自分が思うように5分で全身を描いてみましょう。
アタリをつけようが線をたくさん描こうが影を描こうがOKです。
これは、まず自分が5分でどのくらいまで描けるのか?という今の時点での自分の力の確認をするためです。
この記事でテクニックを書いていない理由は、この「自分の力の確認」を習慣にしたいからです。
線を減らすだとかのテクニックはあとあとできるようにしたらいいんです。

振り返りとチェックポイント
タイマーが5分をお知らせしたら、潔く手を止めます。
そして、描いたものを振り返ります。1枚目を振り返る質問は
頭のてっぺんからつま先までの全身が描けましたか?
これだけでOKです。
1.できた→画面いっぱいに描けましたか?→小さすぎた→2枚目の目標:画面いっぱい使って描く
2.間に合わなかった→2枚目の目標:5分で全身を描く(には、どこを省くか?どこに時間をかけるか?)
…など、2枚目の目標を決めます。
改善点は自分の描いたものと対象(モデル)を比べていくと自然と見つかります。
初めはできていないことがありすぎてガッカリするんですが、1枚につきひとつの課題に取り組んでいくと自分で考える力が身につき、確実に上手くなっていきます。
3.クロッキーをするときの考え方

具体的な言葉は考えない
具体的な言葉というのは、たとえば「頭はここ」「上手く描こう」「まず骨格のアタリを探して、、」みたいなことです。具体的な言葉で考えると、たいてい間に合いません。
クロッキーが「考えるより感じろ」と言われるのは「考えてる暇はない」という面があるからなんですね。
注意してほしいのは、「感じたままを描くんだ!」と考えてしまうことです。「感じたままを描くことを意識している状態」は、「上手く描こうと考えてるのと同じ状態」です。
それは言い換えると自意識過剰なんですね。対象と向き合ってない。
それよりも、モデルとちゃんと向き合って5分で描いて、振り返るときに自分の描いたものとも向き合う。
その結果がダメダメでも全然大丈夫です。自分で考えて直していく力があれば絶対良いものが描けるようになります。
クロッキーをしているときに考えること
ではどんなことを考えるかというと、「対象と向き合ってわかった情報」です。
頭の大きさも「このくらいのかたまり」という認識です。「このくらいのかたまり」の中心から下にまっすぐ線を下ろしたところに重心があるんだなとか、そういう情報です。
クロッキーは、そういった情報をものすごく早く処理して紙に描く訓練ともいえます。
『初めてでも大丈夫!クロッキーの始め方』まとめ
この記事では、クロッキーを始めるにあたって必要な道具から考え方までを、自分の経験則ベースに一般的なやりかたを踏まえて順にご紹介しました。
- 道具は紙と鉛筆があればOK
- 1ポーズ5分で全身を描く。その都度振り返って改善する。
- クロッキー中は、対象と向き合ってわかった情報の高速アウトプットをしている
まずは1枚描いて振り返り、2枚目の課題を見つけて描いてみましょう!
また、はじめてのクロッキー帳にはマルマンのクロッキーブックをおすすめしています。
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